心筋梗塞患者のアセスメントの注意点

アセスメントで間違いやすい点

胸痛の訴えについて

狭心症でも胸痛を訴えますが、心筋梗塞に比べて痛みの持続時間は短く、心電図ではSTは下降します。

狭心症の痛みにはニトログリセリンが有効ですが、心筋梗塞の場合には、ほとんど無効です。

心筋梗塞でニトログリセリンを舌下させるのは、冠攣縮の予防のためです。

ポンプ機能の低下について

冠動脈の梗塞部位と心筋壊死の範囲によって、ポンプ機能の低下の重篤度が異なります。

冠動脈主幹部の閉塞の場合、おもに左心不全になり、右室梗塞では右心不全となります。

梗塞の範囲が広く、急激にポンプ機能が障害されると、心原性ショックに陥ります。

心筋壊死によるWBCとCRP値の変化

心筋壊死による炎症反応によって、WBCやCRPが急激に高くなります。

WBCとCRPは、通常、感染徴候の指標としても用いられますが、心筋梗塞発症直後の高値は必ずしも感染の徴候とはいえません。



条件が変わる場合のアセスメントの違い

梗塞の既往やそのほかの合併症がある場合

再梗塞の場合、心筋の壊死範囲がさらに拡がり、ポンプ機能が低下しやすくなって、心不全も重篤化しやすくなります。

また、糖尿病があると、梗塞が起こっても無痛の場合があるので、注意が必要です。

梗塞の部位による合併症の程度の違い

左冠動脈の主幹部付近で閉塞が生じると、左前下行枝、左回旋枝ともに血流がなくなり、心筋の大部分が梗塞となって、ポンプ機能が大きく低下します。

それに対して、冠動脈の末梢の閉塞では、ポンプ機能の低下はほとんど見られません。

右冠動脈の閉塞では、右心室の機能が低下し、右心不全が起こります。

また、不整脈は左冠動脈の閉塞の場合とは異なり、ブロックが見られます。

治療内容や個人的な背景による不安やストレスの程度

不安やストレスの程度は、個人的な背景によって異なります。

また、狭心症の胸痛の経験がなく、突然に梗塞が起きた場合や、心筋梗塞の知識の有無なども不安の強さに影響します。

カテーテルやラインの数、安静期間も患者のストレスを高めます。

治療過程での再梗塞は不安を増大させます。

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